「王様は裸じゃないか！」と子供が叫びました。
すると王様は顔を真っ赤にして、逡巡（しゅんじゅん）してしまいました。
ちょっと恥ずかしいような、でもすごく嬉しいような、とても複雑な表情をしました。
そうです、王様はそういう性癖の持ち主だったのです。


僕は、王様ってわざと裸なんじゃないか？と考える。
一国の長（おさ）ともあろう人物が、あんなチープな騙され方をする筈がない。
ま、でも子供の目線で観ると一目瞭然な滑稽なことって大いにある。

今の時代、何でもかんでも電化して『eco（エコ）』なんて良さげに言っている。
だけど発電の際には思いっきりCO2を排出している訳だし…。
相変わらず原発からは海水汚染に放射性廃棄物などと問題が山積している。
珊瑚礁の海を埋め立てたり、海流を止めたり、環境を破壊してまでやる開発って『裸の王様』だ。

地球の資源なんて誰のものでもないし、ましてやきっと全員のものでもない。
『土地や物を所有する』という概念なんて無いと想像してごらん、なのだ。
これはジョンレノンのイマジンの歌詞だけれども…。

貨幣社会というのは『お金には価値がある』という申し合わせの上に成り立っている。
思いっきり黒い人が見えてるんだけれども、舞台上で黒子が見えないことになっているのと同じだ。
無人島に行くだけでお金の意味が無くなるんだから、大掛かりな集団催眠みたいで笑える。

動物園やペットって、どこまでいっても人間のエゴだ。
どうも人間より下に見ている理屈がまかり通っていて心が痛い。
食べもしないのに飼育という名目で軟禁状態にするのは可哀想だろう。
ペットを買ってる人って本当は優しくないんじゃないのか？
これが結構な知識人でも動物を飼っていたりするから不思議だ。


「王様は裸じゃないか！」と子供が叫びました。
すると王様は顔を真っ赤にして、こう言い返しました。
「こ、これは、シッ、シースルーなのじゃ〜っ！」
そうです、王様はお洒落だったのです。