いわゆるミニシアター系の映画が好きだ。
全米興行収入第一位みたいなのは後回しになる。
その結果、人が観ていない映画を映画館で観ていることになる。

もう一昔前だけれども「アメリ」というフランス映画がヒットした。
このコラムを読んでいる人の中にも、映画館に観に行かれたという方もいるかと思う。
僕は、その次のオドレイ・トトゥ主演の「愛してる愛してない」という映画も観に行った。
が、『その映画、私も観ました〜♪』なんて会話をした事がない。

「幸せのレシピ」というハリウッド映画がある。
これはミニシアター系のリメイク版なのである。
僕は、その元になった「マーサの幸せレシピ」というドイツ映画を観にいった。
が、『その映画、私も観ました〜♪』なんて会話をした事がない。

実は「となりのトトロ」を未だに観ていない。
なのに「となりの山田くん」は、映画館まで観に行ってたりする。
「となりの山田くん」とはいえ、これも立派な天下のジブリ作品である。
が、『その映画、私も観ました〜♪』なんて会話をした事がない。

僕は観ていないながらも、適当に「となりのトトロ」の話題なら出来てしまう。
逆に、適当に「となりの山田くん」の話題をこなす人は知らない。
もちろん、ヒットした映画とそうじゃない映画という違いは大きいけれども…。
この差は宮崎駿氏と高畑勲氏の表現のスタンスに起因するのかもしれない。

ま、どちらも「となりの〜」とはいいながらも、トトロと山田くんのお隣さん付き合いはなかったのだろう。