眠っている時に見る、夢。
夢を見ても、人はそのほとんどを忘れるらしい。
あまり夢を見ないという人も、実際に夢は見ているらしいが、それを忘れているらしい。
そういわれると、午前中には夢の内容を覚えていても、午後になったら忘れている事が多いなぁ。

大学生の頃に見た夢を覚えている。
覚えているというか、何か変な感じの夢だったので、記憶に残っている。

彼女を車で迎えに行くと、何故か彼女が二人いた。
別に二股をかけていて、夢で魘（うな）された訳じゃない。
その当時の彼女が双子のように二人いたんだ。
僕が一人に、彼女が二人。

仕方がないので、僕は適当に一人を前の座席に座らせて、もう一人を後部座席に乗せた。
前に乗っている彼女、つまり僕の横に居る彼女は、とても楽しそうに笑う。
そして、更には大げさなくらいに笑う。
僕も楽しくて一緒に笑っていたんだけれども、ふと後部座席を見ると、後ろの彼女が泣いていた。
それも声を出さないで、しくしくと泣いていた。

僕は堪らない気持ちになった。
車を止め、運転席のドアを開けて、僕は後部座席に乗り込んだ。
そして後ろの彼女の手をとって泣いた。
僕が泣くので、後ろの彼女ももっと泣いた。
二人で手を取り合って、一緒になってわんわん泣いた。

そして、悲しくて目が覚めた。