米粉のパン屋さんを見つけた。
パンの原材料である小麦粉の値段が上がっている。
そういう意味では実にタイムリーなお店だ。
当然、味も普通のパンと比べて勝るとも劣らない米粉パンなのである。

店内に何人かお客さんが居たので、安心して、とにかく入ってみた。
やはり一般的にも認識が薄いらしく、ほとんどの種類が試食出来るようになっている。
なるべくプレーンなのを選んで、僕は試食しようと試みる。
“試食を試みる”というのも二度手間な表現でなんだけれども…。

実は試食が苦手だ。
なので試食という行為を試すが如く、試食というものにチャレンジしなければならない。
実に面倒くさい性格なのだ。
どうにも試食をすると、“何か”は買わないといけない気になるもので…。
で、思い切ってパンを一欠片（ひとかけら）手に取って食べようとしたとたん、それを床に落としてしまった。

わざわざ用意してある試食用のパンなのである。（0.5秒）
これを食べないなんて、そんな訳にはいかないだろう。（1.0秒）
バイキング料理に行って、自分で皿に取ったのに残すようなものだ。（1.5秒）
どうしよう？（2.0秒）
ええい、ままよ！（2.5秒）

結局、“3秒セーフ”ということで食べてしまった。