電車に乗っていた時のこと。
5歳くらいの元気な男の子が、同じ車輌に乗ってきた。
辺りをキョロキョロ見渡して、後から乗ってきた母親にこう言った。
「あれ…？な、な、トイレは？」
僕はツボにはまってしまった。
かなり強く、そんなものある訳ないでしょうっ、とか何とかって怒られていたなぁ。

めっきり少なくなった電話ボックスで、子供達が遊んでいた。
受話器を取って、何かお願いしているようなのだけれども。
すると、子供同士の会話から、“ドラえもん”とかって言葉が聞こえてきた。
どうやら「もしもボックス」と間違えていたらしい。

ジャン・コクトーの小説に、「恐るべき子供達」というのがある。
早熟で、大人の意表をつく行動をとる、
大人からみて脅威を感じる子供達（アンファン・テリブル）のことを描いている。

僕の兄は3歳のときに、祖父の膝の上で懐石料理を食べさせてもらい、
本当に美味しかったのだろう、お店の人に、こう言った。
「これ、ようでけてまんなぁ…。」