まつたく、結婚なんて何が良いのだらう。
中味が魅力的だといふならば、内縁関係でも済む話ぢゃないか。
君、本当は結婚といふ契約を取り付けたいのだらう？
さうして結婚したらば豹変するのでしやう？

「ウェディングケーキは、この世で最も危険な食べ物である。」
アメリカのことわざに、こんなものがある。
そんな言い方されては、食べる気にはなれない。
全くもって、食欲がわかない。

そもそも、世の名言って、この手の冗句が多い。
「結婚とは誰もが犯さなければならない過ちである。」とか、
「あらゆる真面目なことのなかで、結婚というやつが一番ふざけている。」とか。
なんか、行くも地獄、行かぬも地獄、みたいな内容ばかりだ。
実は哲学っぽいと笑えないものである。

「女房は死んだ。俺は自由だ！」（ボードレール）
「ずいぶん敵を持ったけど、妻よ、お前のようなやつははじめてだ。」（バイロン）
こちらの方が、なんか笑える。
言葉に愛を感じるからだろうな。

僕が好きな、というか、食欲のわく笑える名言。
「結婚するとき、私は女房を食べてしまいたいほど可愛いと思った。
今考えると、あのとき食べておけばよかった。」（アーサー・ゴッドフリー）