お洒落で、丁度いいサイズ、というスリッパが見つからない。
サイズは合っても、100円均一ショップのスリッパじゃ満足出来ない。
百貨店にでも行けば、男性用もあるのだろうけれども、値段が高いのは嫌だ。
どうせ消耗品なのだから、手頃な値段が良い、と思っているから。
セレクト雑貨屋さんには、感じの良いスリッパが売っている。
しかし、サイズ的に男性用というのは、極端に少ない。
もどかしいので、ジェームス・ブラウン風に、「スリッパ ！」と叫んで踊ってしまった。

１６文キックで有名なジャイアント馬場が、巨人軍のピッチャーだった頃、
チームのコーチの家に招かれた。
もちろん、人一倍、足のでかい馬場に合うスリッパはなく、彼だけが靴下のまま。
次に、その家に招かれた時、なんと、玄関には特大のスリッパが用意されていた。
そこの娘さんが、スリッパの無かった馬場のために、わざわざ作ったのだ。
彼女こそ、のちに馬場の奥さんになる、元子夫人その人だった。
実家が貧乏で、足に合うスパイクが手に入れられないため、野球部に入らなかった彼が、
野球部の先生に、特注のスパイクを与えられた時のように、馬場はとても嬉しかった。
嬉しいので、ジェームス・ブラウン風に、「スリッパ ！」と叫んで踊ったらしい。（ウソです）

卍固めで有名なアントニオ猪木は、入門したての頃、力道山の付き人をしていた。
体格に恵まれた、スター性のある馬場とは対照的に、猪木は厳しく扱われた。
些細なことが理由であったが、猪木は力道山に、下駄で頭を殴られたことがあった。
その痛みと、あまりの屈辱に、我慢が出来ないくらい、猪木は悔しい思いをした。
何故俺が、よりによって硬い下駄で殴られなければならないのか、と。
悔しいので、ジェームス・ブラウン風に、「スリッパ ！」と叫んで踊ったかどうかは知らない。