「お〜い、アレ、ナニしといて。」
「あいよ〜っ！」

長年連れ添った夫婦なら、こんな芸当が出来るようになる、らしい。
何ひとつ、具体的に言っていないのに、2人にだけは解る、という。

ツーといえば、カー。
阿（あ）といえば、吽（うん）。
ま、そういうことなのだろうな。

「お〜い、社会保険庁改正関連法案、衆議院厚生労働委員会で可決しといて。」
「あいよ〜っ！」
（などと、社会風刺も入れつつ…。）

“○○といえば△△”みたいに、“△△こそ○○”という言い回しもある。

かの名サッカー選手であったヨハン・クライフ氏が、FCバルセロナのデコ選手を形容して、
“デコこそフットボールだ”
と絶賛したのは、サッカーファンの間では有名な話。
彼のプレイの中に、フットボールの全要素が含まれている、という意味だ。
攻撃、守備、多彩なパス、惜しみない運動量、ミドルシュート、フリーキック、etc。

FCバルセロナといえば、有名なロナウジーニョが在籍するクラブなんだけれども、
クライフを始めとするプロの目には、デコのプレイが在ってのFCバルサということだ。
もし、11人のロナウジーニョと、11人のデコが試合をしたら、きっとデコが勝つだろう、そんな意見まである。
デコのポジションはCMF（センター・ミッドフィルダー）で、ちょうど中央付近が彼の仕事場だ。
ゲーム全体の流れを組み立てる、世界屈指の司令塔なんだ。

“パット・メセニーこそミュージックだ”
僕ならば、こんな風に言いたい。
この説明をし始めると、相当に長くなるので、この場では遠慮しておく。
意味としては、ヨハン・クライフがデコを形容したのと、同じである。
しかも、デコとメセニーを並列したことで、僕とクライフも並列になった様で、ちょっと嬉しい。
なので、読者の皆さんには、是非、アレをナニしておいてもらいたい。