恋愛なんて事故みたいなもんだから…。

うんうん、たしかに一理ある。
それも正面衝突とかじゃなくって、側面を擦（こす）った程度の事故が多いように思う。

この場合の正面衝突は、いわば相思相愛のことだ。
前方から好きな人がやってくるのが分かっていて、ぶつかってしまうのだから、
相当、大きな事故になってしまう。
きっと、美男美女のカップルなんかは、このケースが多いんだろう。
現場検証するかぎり、お互いに過失があった、と考えざるを得ない。
恋愛するべくして恋愛した、みたいな。

ほとんどの恋愛は、出会い頭だったり、側面からいきなり当てられたり、
どうもやはり、予期していない方向から、相手が飛び出してくる。
事故ってみて初めて、自分自身もまんざらでないことに、気付いたりして。

よくある“片想い”ってやつは、好きな人の後ろを、付いて走っているような感じか？
意中の人が急ブレーキでもかけない限り、事故にはならない。
せめて、赤信号の時に、後ろから意図的に衝突するとか…。

実際の事故で、左折の時にバイクを巻き込んだり、
平走している車同士が、接触したりするケースが多いように、
「今日の飲み会は好きな人の隣には座れなかったけれど、
たまたま隣になった中井さんて、ちゃんと話してみるといい人ね。」
みたいに、横からミラーを擦（こす）られることもあり得るのだ。

男性からでも、女の子からでも，どちらかが告白して恋愛する訳だから、
ぶつかられた時の方が、上手く行きそうな気はする。
まぁ、ぶつかる方には、かなり意図的な場合もあるんだけれども。

恋愛は終わった後も、事故と酷似しているから、ちょっとばかり厄介だ。
ぶつかった時の痛みが、後遺症を残したりする。
また、同じようなタイプを、好きになったりするのが、きっとそれだ。
違うところといえば、恋愛はなるべく示談で済ました方が良い、というところか。
とはいえ、車が炎上するような事故もしてみたいけれども。